「終活」がメディアで話題になると、東京・巣鴨のとげ抜き地蔵通りで、高齢の方達に街灯インタビューを行い、「終活考えてますか?」と聞きます。

大抵、女性の方に聞きます。

あれ、何ですかね?やはり、どこか、『片づけ=女の仕事』ってとこ、あるんじゃないでしょうか。

まぁ、男性に聞いても、やってないでしょうし、男性にとって、多くは家は女性が住みやすくするもので、どこに何があるか知らないし、「あれどこいった?」と聞けば、奥様が出してくるもの、という認識なんじゃないでしょうか。

男性にとっての終活と、女性にとっての終活って違うし、たぶん男性にとっての終活には、今まで自分がやってきた仕事の事に関わるものだったり、趣味のものだったりするんでしょうね。

女性にとっての終活は、本当に家族の生活を含め、自分の人生を含め、全てになるんだと思います。

不思議なんですが、どの年代の男性も、「自分が先にこの世を去る、あとはお前よろしくな」と言います。逆になる事もあるって、想像しないものなのでしょうか?

時の止まった部屋

高齢の方のお住まいにお邪魔すると、キチンと片づけられた家であっても、やはりホコリ臭く感じます。

棚の上の、使わない品物を、丁寧に新聞紙で包み、紐をかけ、置いてあるのですが、それらに厚く積もったホコリ。

包んでいる新聞紙の日付を見てみると、昭和40年代なんて、ザラです。

つまり、その頃包んで、しまったまま、それらは包み直される事も無く、と言う事は、使われた事がなく、『死蔵』されたままなんでしょう。

まるで活気の感じられない、時が止まったような家。

お年を取って、動く事も大変になり、片づけなんて、気持ちはあっても、中々出来ない。

ましてや、椅子の上に乗って、棚の上の物を下ろすなんて・・・危ないですよね。

丁寧にしまった品物を1つ1つ出して、思い出す事も多いでしょう。

少し、気持ちに弾みがつくんじゃないでしょうか。

そういうお手伝いが出来たら良いな、と思っています。

勿体ないを言い訳にしてませんか?

日本人は、小さい頃から事あるごとに、「勿体ない」と言われて育ちます。

高度経済成長期にすら、裏が白い紙を捨てようものなら、「勿体ない!」と叱られた者です。

勿体ないって、何?

元々は、仏教用語だそうで、物品=勿体、そのものが、本来使われる用途に使われていない事を、「勿体ない」と言うのだとか。

そうすると、何もせず、ただしまわれている物こそ、一番「勿体ない」物という事になりますね。

もう使わない物を、どうして捨てないの?どうして、手放さないの?と伺うと、必ず返ってくる答えが、「だってまだ使えるし、勿体ないじゃない」。

まだ使えるなら、使いましょうよ。

壊れているなら、それこそ「勿体ない」から、直して使いましょう。

直してまで使う気持ちがないなら、潔く捨てる!

資源ゴミになら、他の資源に生まれ変われるし、それが無くなった場所は、また別の用途に使えば、場も生き返るし!

どうして持っている事に執着するのか。

死蔵しているのに、勿体ないと言い、手放さない。

自分は使わないのに、手放さない。

一生分の荷物を抱えたまま、暮らして行く事は出来ないと言うのに・・・

「捨てない」んじゃなく、「捨て方が判らない」

これは、区役所の住宅関連の部署の職員さんにお会いした時に、お話ししたんですけど、ある高齢者のお引越しの時に、思いました。

今の製品は、一見金属のようだけど、実はプラスチックだったり、プラスチックと思ったら、紙だったり、素材が様々で、視力も、触覚も弱くなったお年寄りには、判別が付きづらいのでは無いかと。

ゴミの捨て方の冊子が、各戸に配布されていますが、読みません。

もう、見ただけで、「面倒な事」なのです。

1つの品物を分解して、資源ゴミ、金属、プラスチックなんて、分けられないのです。

その方の家には、小さいながらも物置があり、「とりあえず物を置いておく」事が出来ましたので、そうやって「とりあえず」置かれたまま、目に触れないので、存在を忘れられたものが、沢山ありました。

昭和40年代の頃は、高度経済成長期と共に、様々な家電品が出回りました。

扇風機などもそうですが、当時のものは、土台も羽根も金属製で、重たい物でした。

それが、2つも3つもあり、実際に使っているのは、今時のプラスチック製のものでした。

なぜその使わなくなった扇風機を捨てないのか。

1つには、有料でゴミを捨てる、捨てるのに、お金を取られるという、理不尽さ(笑)が納得出来ない。

今、80代、90代の方が若かった頃、家庭から出るゴミは、生ごみ、紙ごみ位だったんです。
だから、家具なんて、嫁入り道具を生涯使うもので、捨てる事なんて無かった。
自分の経験上無かった事だから、わからないんじゃないでしょうか。

もう1つ、どこで、どうやって捨てて良いか判らない。

扇風機は、粗大ゴミですから、粗大ゴミ受付センターという所に申し込んで、引き取りに来て貰いますが、電話番号が判らない、どう言って申し込むのか判らない、耳が遠くて掛けられない等々。

そして、他のゴミと一緒に積み上げられた扇風機を、自力では運べないのです。

そして、「ま、今困らないし、そのうち」と、物置の扉を閉めるのです。


その方の引っ越しの時に、40Lのゴミ袋に、ゴミを一杯入れると、運べないという事を知りました。

これは、本当に驚いた事ですね。

想像すれば、たやすい事なんですが、自分が出すゴミを自分で運べないという事があるんだ、という事実に驚きました。

普通に、買い物に行ったり、自転車に乗ったり出来ている方でさえ、そうなんです。

これは、高齢者の片づけを手伝う方、皆さんが知っておかないとならない事だと思いました。

ゴミ袋は、30Lまでです。


おそうじふくふくでは、終活のお手伝いのサービスを始めました。

一人でやっていたら、日が暮れるまでやっても、片付かない。

じゃぁ、後は明日・・・って、次の日も同じ事やりますか?

思い出話したりとか、たまに休憩して、お茶飲んで、お菓子食べて、笑って、楽しい時間を過ごしながら、終活の第一歩の片づけを始められたら良いなと、思っています。

 

おそうじふくふくの、終活お手伝い

料金:作業時間 3時間 10,800円(税込)